小島てつを「人生が見えるから俳句(時々短歌)は面白い」ブログ版

最近、最新の優れた俳句(短歌)を紹介し、俳句(短歌)の幅の広さ、その奥深さを堪能していただけましたらありがたいです。これをきっかけに俳句(短歌)を作る人がふえてくれたら、最高です。

カテゴリ: 俳句 花

どの山も抱へ切れないほど青葉  広本貢一

「読売新聞」2020年7月6日俳壇、宇多喜代子選より。見渡すかぎりの山という山。見ると、どの山も青葉が溢れている。まさに「抱え切れないほど」青葉を、山は抱えているという。山を擬人化して、抱え切れないほど抱えている、それが山だという。メルヘン調の楽しい句である。

一戸づつ里を去り行く花茨(はないばら) 須崎輝男

かつて飯田龍太は「百戸の谿」という句集を出版された。そのなかに、大寒の一戸もかくれなき故郷という句がある。たくさん家が散在している田舎の風景が見える。ただし、田舎は、露の村恋ふても友のすくなしやいろいろ話せる友は少ないというのである。これも龍太の句である

黒といふ色も野にあり揚羽蝶  中村重雄

「読売新聞」2020年6月29日俳壇、正木ゆう子選より。この時期の野は緑色が溢れている。ところどころ、花も咲いて赤🌸や青や黄色い花びらが揺れる。これから真夏に向かう時期だ。よもや黒いものなんてないと思っていたら、黒い大きな羽根をゆったりと羽ばたかせながら揚羽蝶🦋

ははを真似(まね)さくら隠しを掌(てのひら)に  川内一浩

「さくら隠し」とは、なにか?答えは、春の雪のことです。春の雪の傍題です。傍題というのは、主要季語に対する関連季語ということです。それにしても美しい言葉ですね。雅びやかさが感じられます。子どもが、お母さんの仕草を真似て、春の雪を手のひらですくいとったという

おぼろ月ふつとコロナの貌(かお)を見し  岸原清行

作者は「青嶺」主宰。同誌2020年6月号より。この句の前後に、人絶えし世にも桜の咲くならむ繭籠る如き日の逝く四月かななど、新型コロナウイルス関連の句が並ぶ。新型コロナウイルスの実態は、最初日本人のたれにもわからなかった。(むろん一部の科学者以外は、ということで

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