小島てつを「人生が見えるから俳句(時々短歌)は面白い」ブログ版

最近、最新の優れた俳句(短歌)を紹介し、俳句(短歌)の幅の広さ、その奥深さを堪能していただけましたらありがたいです。これをきっかけに俳句(短歌)を作る人がふえてくれたら、最高です。

アーカイブ:2019年08月

淡墨桜認定証付苗木売る    大野公子

淡墨桜は、岐阜県根尾谷にある有名な古木の桜の木。作者は、その桜を観に行ったが、そこでこの苗は間違いなく淡墨桜の苗ですと書かれた認定証付きの桜の苗が売られているのに驚いた。ただそれだけのようだが、認定証付き桜の苗に、なんとなく親しみを覚える。人間らしいでは

心太(ところてん)談議蜜派と二杯酢派    奥村遊山

漢字が続くので、さらりと読み過ごしやすい句だが、要するに、店に入ってトコロテンを食べるにあって、蜜をかけて食べる人と、二杯酢をかけて食べたい人がいた。で、あなたはどっち派なのかな? といった話でついに議論が始まったぞ、という句。さりげない食べ物俳句ながら、

そのままが暮れ色となる夏木立    的場秀恭

夏の木立は、他の季節にくらべて、明るく、しかも鬱蒼としている。中村草田男が作ったという造語「萬緑」もそんな風情を表現せんためにあみだしたのであろう。鬱蒼としているから、昼なお暗い場所ではいつのまに日が落ち、夕暮れになったことも気づかないことがある。時間の

滝千筋しぶきの霧となり迫る   甲斐遊糸

この句、富士山の麓、富士宮の白糸の滝で詠まれた句だそうだ。「滝千筋」とはいかにも、白糸の滝らしい。滝水の落下を千筋と捉えた。そして、その細い滝水から上がるしぶきが霧のような飛沫を上げつつ、ゆっくりと作者の足元に迫ってくるというのだ。天も地も、すべての風景

ざつくりと切りざくざくと切り甘藍    中田尚子

音ばかりでできた句であるところが面白い。甘藍はキャベツの別名。青々としていきいきとががやくキャベツをその音から想像させてくれる。不思議な句だ。キャベツの大きな本体を一気にまっぷたつにし、その2分の1になったキャベツを端から細かく切っていく動作が、描かれてた

↑このページのトップヘ