小島てつを「人生が見えるから俳句(時々短歌)は面白い」ブログ版

最近、最新の優れた俳句(短歌)を紹介し、俳句(短歌)の幅の広さ、その奥深さを堪能していただけましたらありがたいです。これをきっかけに俳句(短歌)を作る人がふえてくれたら、最高です。

アーカイブ:2019年06月

花の門潜り虚子てふ道標(みちしるべ)    山田佳乃

いまの「ホトトギス」は、古風な正統の伝統俳句を作る方と、思い切って冒険したような句を作る方がいるように見受けられる。大所帯ゆえのふところの広さがあるからできることであろうと思う。さて、掲句である。「花の門」とは、あまり具体的な花(桜)のイメージとはつながら

百の皺動きて笑顔あたたかし    木下節子

皺の数が百なのか二百なのかはどうでも良い。それほどたくさんの皺が動いたというのだ。皺が動くほどの感情の変化は喜怒哀楽の時ぐらいだ。この句の季語は「あたたかし」、春が来て、ようやく冬の寒さから開放された「あたたか」さを実感したときにいう。が、この句の場合は

皹(ひび)の手の女の祈り長かりし     澤井洋子      

ひび・あかぎれという。皮膚が乾燥して切れたり、水仕事のせいで痛みがなかなか消えない症状だ。皮膚病の一種。炊事洗濯など、水を使う仕事からそうなることが多く、昔から女性に多いものとされた。この句の女性も、きっとそういうだったのだろう。女性の祈りの中には、家族

流れゆく水ふくらんで春のこゑ            森   潮

春は天地万物がいのちみなぎらせ始めるときだ。川だって冬は枯れることも珍しくはない。それが春になると、雪が解け季節の変わり目のせいか雨が増え、川の水を豊かにしてくれるのである。いのちを呼び戻してくれる豊かさが、春にはある。水のふくらみとは、現実の水量の豊か

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