小島てつを「人生が見えるから俳句(時々短歌)は面白い」ブログ版

最近、最新の優れた俳句(短歌)を紹介し、俳句(短歌)の幅の広さ、その奥深さを堪能していただけましたらありがたいです。これをきっかけに俳句(短歌)を作る人がふえてくれたら、最高です。

アーカイブ:2019年05月

復活祭近しらふそく炎立ちをり    和田順子

この句のあとに「花冷えの教会の椅子浅く掛け」というのが出てくるから、この句も教会での作と考えられる。復活祭は、もともとクリスチャンの使う言葉。十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目に復活したことを記念・記憶する、キリスト教において最も重要な祭。

荒鋤(す)きの春田茫々比企郡   鈴木多江子

そこは荒鋤き田である。荒鋤き田が春空のもと、ぼうぼうと霞んでひろがっている。なぜ比企郡(普通「ひきぐん」とよむが、古い読み方「ひきごおり」と読まないと音数的に合わない)か?比企郡は特定の場所というよりも埼玉県の田園地帯を想像すればそれでよい。そういえば作者

土筆食ひ平成の世のあと十日     鈴木太郎

このたびの改元は、スケジュールにのっとっておこなわれたため、改元まであと何日などという不遜なカウントダウンをし続けたテレビ番組も多かった。やむをえないことかもしれない。さて、この句が詠まれたのも、改元10日前という。そんなところに、この句の妙味があるのかも

殺さずに追出す慣ひ鬼やらひ    佐怒賀正美

句集「無二」より。たしかに、そうだ。鬼やらひ(節分)とは、豆をまき、「鬼は外」と言いはするものの、鬼殺せ! などという物騒な言葉は聞かれない。あくまでも追出すことでよしとしている。慣いである。そこらへんが、いかにも日本人的ではあるかもしれない。

下京や袋小路の鐘凍(い)つる     合谷美智子

地名「下京(しもぎょう)」から察して、京都での作品であることがわかる。鐘凍つる、というから、真冬に下京に出かけたのであろう。京都は盆地だから、冬に寒く、夏に暑いといわれる。冬の京都といえば、雪を被った金閣寺に出会えれば最高だそうだ。夏なら、祇園祭りか地蔵盆

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