夏の木立は、他の季節にくらべて、明るく、しかも鬱蒼としている。中村草田男が作ったという造語「萬緑」もそんな風情を表現せんためにあみだしたのであろう。
鬱蒼としているから、昼なお暗い場所ではいつのまに日が落ち、夕暮れになったことも気づかないことがある。時間の推移を感じさせない夏木立の、暗い、深い生命力に感動。獅林 2019.9