小島てつを「人生が見えるから俳句(時々短歌)は面白い」ブログ版

最近、最新の優れた俳句(短歌)を紹介し、俳句(短歌)の幅の広さ、その奥深さを堪能していただけましたらありがたいです。これをきっかけに俳句(短歌)を作る人がふえてくれたら、最高です。

俳人・歌人の、特に優れた作品を読むことで、今を生きる読者(または実作者)のみなさんのこころに少しでも癒しの風が吹いてくれたらいいなと念願して、今日も鑑賞を書きます。ご感想なだお寄せいただければうれしいです。

紅梅や枝々は空奪ひあひ 鷹羽狩行

紅梅は、白梅と違って、自己主張がある。あの紅色には、凛とした強さがあるのだ。だから。紅梅の咲く枝々は、真っ青な空を奪い合っている、と見ることができるかもしれない。この句、梅が咲くころ必ず思い出す句である。

白梅のあと紅梅の深空(みそら)あり 飯田龍太

今日から2023年の2月が始まった。ここ関東では、朝晩は氷点下の寒さだが、日中は13度に達した。窓ガラスごしに受ける日差しは暖かだ。猫ものんびり道端に寝転んでいた。散歩で近くの公園に行くと、梅が咲き始めていた。この句。言いたいのは、まず白梅が咲き、それから時をお

下町の八百屋の灯(あかり)小雪舞ふ 柏 玲子

下町というと、東京でいえば谷中・根津・千駄木(ヤネセン)や上野・浅草あたりがイメージされる。この句の作者がどちらに住まれているかわからないので、下町がどこを言っているかは不明だが、読者はそのあたりを連想すればよい。そんな下町の夕暮れ時、はだか電球が点き始め

↑このページのトップヘ