2026/07/30 壜うつくしく香水も劇薬も 片山由美子 いきなり「壜うつくしく」ときます。そこで間が生まれます。続く言葉が、「香水も劇薬も」です。全く性格の違うモノが並びます。人生を豊かに飾ってくれるのが香水。かたや、人生を狂わせてしまう怖いものが劇薬。どちらにしても、それらの容れ物としてのガラス壜は、皮肉に
2026/07/30 汗匂ふこれが生くるといふことか 大竹多可志 俳句はどちらかというと美しい景色を詠むと収まりがいいですね。しかし掲句は汗を詠んでいます。最近、気象庁が夏の暑さをランク付けする上で、最も暑い日のことを「酷暑」と表現しましたが、俳人にはけっして珍しい言葉ではありません。酷暑は季語だからです。それはさてお
2026/07/29 健やかなれ我を朋(とも)とす夜の蜘蛛(くも) 池田澄子 じゃんけんに負けて、蛍に生まれたと書く池田澄子さん。自然の生きとし生けるものすべてを、我が朋友としてご覧になられているような感覚の句です。しかしよりによって夜の蜘蛛ですか。かつて野澤節子は、われ病めり今宵1匹の蜘蛛も宥(ゆる)さずという句を作りました。青春期