小島てつを「人生が見えるから俳句は面白い」ブログ版

最近、最新の優れた俳句とその作者を紹介し、俳句の幅の広さ、その奥深さを堪能していただけましたらありがたいです。これをきっかけに俳句を作る人がふえてくれたら、最高です。

カテゴリ: 俳句 花

ウイルスの街へ出てゆく春帽子            長峰竹芳

句集「直線」より。この文を書いている2020年2月1日現在、中国湖北省武漢を発生元とする「新型コロナウイルス」という病原菌が、世界中に猛威をふるっている。特に中国では感染者が一万人を越え、死者も二百人を越えている。このウイルスから守る手立ては手洗い、うがいしか

春待つや一病抱へ百弐歳                       後藤比奈夫

句集「喝采」より。「一病抱え」つつ生きている人は多い。一病もない人よりも、一病ぐらいあった方が、かえって体を気遣うぶん、長生きできる、という意見もある。一病息災である。たしかに、見るからに頑健そうな人が、急に亡くなられることもあるし、その反対に、病いを抱

風花といふ雪の子の舞踏会     八染藍子

風花は、風に乗って宙を舞う雪のこと。水分の多い雪は別だが、綿のようなふわふわとした雪は、すぐに地面に落ちてこない。舞い降りてきたかと思うと、ふいにまた風に舞い上がるといった動作をえんえんと繰り返す。そうやっていていつか地面に到着するわけである。風花は、雪

黒革(くろかわ)の匂い雪の滑走路    千賀健永(Kis-My-Ft2)

キスマイ千賀(ジャニーズ)の句である。 この句の面白さは、「雪の滑走路」という視覚的なものと「黒革の匂い」という嗅覚的なものとのぶつかり合ったところにうまれるリアリティの新鮮さである。脈絡のない言葉のぶつかり合いは、わかりすぎるものではだめ。いっけんわから

星のいま生まれ大原雑魚寝(ざこね)かな    夏井いつき

「大原雑魚寝」とは、節分の夜、京都大原井出町の江文神社で参籠通夜に行われた乱婚の風習をいう。昔、大原村の蛇井出に大淵という池があり、大蛇が住んでいて里人に危害を加えたため里人は避難の目的で一ヶ所に集まるようになり、乱婚が行われるようになった。これが風習化

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