この句の本意は、あまねく降り注ぐ春の光の中に、瀬戸内の海が広がっている、
その光の眩ゆさに、いくつかある小さな島々も見えなくなっているというのだ。
光に隠されたようで、なんとも不思議だけれど、それだけ光が強いということである。
「紛れ込む」とは、擬人化した表現だ。瀬戸内海の島々の方が能動的にみずから姿を消した、隠したというニュアンスがこもっている。
瀬戸内海の小さな島々が消えた、そのあとには、春の波がキラキラと波打っているばかり、という美しい情景の句である。