作者名は「あいおいがき・かじん」と読む。
1976年、角川書店の振興財団が主催する第10回蛇笏賞の授賞式で、授賞された相生垣さんのお姿を拝見したことがある。 
庶民的で物腰柔らかな方ながら、どこか仙人のような浮世離れした雰囲気ももっておられる方だと思った。
節分の豆まきの豆を、年齢の数だけ食べると、1年間息災でいられるという風習がある。掲句は、八十粒というから、作者80歳の時の作ということになる。
令和2年の現在は、80歳ぐらいで「恐るべき」という驚きはないが、この句が作られたおそらく40年以上前には、「もう80歳?」と、あらためて自分の年齢に驚いた気持ちが言わしめたのだろう。そんな「恐るべき」であるが、いささかユーモア心も感じられる。
今言うなら「百粒」ぐらいになるのであろう。
いずれにしても、人の寿命というものは自分で決められない授かりものだ。
長寿を寿ぐことは、それだけでもめでたい。節分の豆まきは大きな神社の年中行事として賑わいを見せているが、個人宅での豆まきは、少子高齢化のせいか、残念ながら減りつつある。