テレビ番組「プレバト」から。
落語家の志らくさんの句だ。
入船亭扇橋師匠など、前々から、俳句を作る落語家はいた。が、こういう番組から生まれるというのは、珍しいケース。こういう番組で俳句を発表する作者たちは、本当に俳句を作りたいのか、ただ出演したいだけなのかが、今ひとつ不明なのである。
とまれ、ぜひ、今後とも番組を離れても俳句を作ってもらいたい才人の一人であることは間違いない。
先日、日経新聞が投資の特集を組んだ。冒頭に渋沢栄一翁の顔の絵を飾っていたが、まさに日本資本主義の父と呼ばれるにふさわしい知性と風格をそなえたお顔だ。
現代にあって、少しも古さを感じさせないところから、作者は「色変えぬ松」という季語を持ってきたのだと思う。時間が経っても古びない渋沢翁と、あたりは紅葉に染まる華やかな木々ばかりの中にあって、色を変えない松というのは、直接の関連はないものの、対照的ということで繋がっているし、近代人とはいえいまなお輝きを放つ歴史上の人物、渋沢と枯れない松の取り合わせは、一脈通じるものがある。そこがこの句の面白いところなのである。