盆踊りの中でも、胡弓の調べにのせての踊りはたおやめぶりで哀愁をそそるところから、風の盆は全国的に知られるところとなった。場所は越中富山の八尾市。その地に筆者は未だ立ったことがないので、詳細は書けないが、想像以上の風景がひろがることは間違いないであろう。町は、祭り一色。近くの田畑に立つ案山子(かかし・かがし)たちもまた人間みたいに踊っているようだという。しかし、人間たちがたおやめぶりで踊るのに対し、案山子たちはその体のぎこちなさから、「男踊り」だというのだ。こういう捉え方に、作者のささやかなユーモア精神が潜んでいる。
とまれ、八尾の町は人間も案山子も踊りに包まれる。まこと壮観。
作者は法律事務所を経営するかたわら、「風の道」主宰として俳人としても活躍されておられる。
風の道 2019.11