この句、実際に見たものか、テレビなどの映像で見たものか、あるいは全く違いイマジネーションの産物なのか、はわからない。が、それはこの句の場合どうでもよいかもしれない。
息を凝らして、薄い金箔を貼り上げていく動作が描かれる。薄い箔である。破らないように丁寧に貼りあげているのだ。
ちょうどその頃、光琳忌。
ということで、光琳の燕子花(かきつばた)の金屏風の作品のイメージと金箔を貼っている動作とが重なり、現代的な視点の一句に仕上がっている。
顔 2019.8