森潮さんは、 森澄雄さんの息子さん。息子さんといっても、「蚯蚓鳴く古稀の齢となりにけり」という句があるから、そういう年齢であることがわかる。けっして若くはない。
とはいえ、子にとって親はいつまでたっても身近な存在のままだ。亡くなられていればなおさら身近にあるものといえよう。
森さんの母上(白鳥夫人)の死は、たしか
急であったと記憶している。覚悟のできていない状況での突然の離別というものは、なんともやりきれないものがある。
しかし死という事実はうけいれなければならない。
未完の別離は思い出尽きないのである。
杉 2019.8