牡丹は大輪であり赤や黄色、白など色彩的にも華やかそうに見える花だが、花肉は薄く、なんとなく淡い花という印象もある。花壇などでも牡丹の花はたくさん咲いていることが多いから、この句、花から花へというわけである。虻もそうだし、「てふてふ」(蝶々)もそうだ、という。虻は見た目あまり綺麗ではない。蝶々は見た目からして綺麗である。そういうふうに多くの虫たちにとって、惹きつける盛りのころの牡丹の花は蜜の宝庫なのだ。詣でるように虫たちが寄り集まってくる光景が目に浮かぶようである。作者は「青林檎」「花鳥来」所属。

新詩歌句年鑑2018*小島てつを評