作者は、俳句を作る上で、ただ美しいとか嬉しいという感覚で作ることをしなかった。どちらかというと、少しひねくれてモノを見て、そして作った。少年時代は、日本は戦争だった。戦場にこそ行かなかったが、少年時代は戦中で、大人になって戦後。ずっと戦争を憎んでいた。戦争憎悪は、戦中ウソをついていた権力者たちへの憎悪でもあった。戦後も、どちらかというと権力者を憎んだ。この憎しみが俳句を作る上でも、創作力の原点になっていたように思う。この句に説明はいらない。
句集「朝の森」より