本日(2019.5.18)加古さんから、俳人協会刊の自註句集をお送りいただいた。その中の1句。静岡県三ケ日の方広寺での作だという。同寺は禅宗の古刹。掛け軸などの絵も禅宗系はボロ衣をまとい人間臭い表情をみせたものが多い。最も飾らない仏教、それが禅宗なのである。五百羅漢それぞれのポーズや表情もまた、人間臭いのだ。だから現代人が見ても面白いのだ。羅漢さまの表情も五百体あれば五百の喜怒哀楽の表情がある。特に泣いたり笑ったりとはっきりした表情に私はひかれる。それは、表情に心の叫が隠されているからなのではないだろうか。加古さんの句もまた飾らない句が多く、そこに人間的な魅力があるように思う。