にんげんを忘れて、というのであるから、この句の主体は人間である。人間が人間であることを忘れてしまうという発想が面白いし、もっと面白いのは、私は風の蝶だという。
ただの蝶ではなく、風に乗って花から花へと軽やかに飛んでいる蝶だという。
おそらく人間のあまり行かない場所で、のどかに花が咲き、蝶が舞っていたのであろう。作者の願望もあるであろうが、着想がユニークである。  山彦2019.5