小島てつを「人生が見えるから俳句は面白い」ブログ版

最近、最新の優れた俳句とその作者を紹介し、俳句の幅の広さ、その奥深さを堪能していただけましたらありがたいです。これをきっかけに俳句を作る人がふえてくれたら、最高です。

今を生きる俳人の、特に優れた俳句を読むことで、今を生きる読者(または実作者)のみなさんのこころに少しでも癒しの風が吹いてくれたらいいなと念願して、今日も鑑賞を書きます。ご感想なだお寄せいただければうれしいです。

さざ波をたてて干潟は目に似たり      今瀬剛一

干潟は潮の引いたあとの砂浜のこと。波が砂浜に自然の造形をほどこす。この句の作者は、それら干潟を高みから俯瞰して見ているから、目のようだとなる。目は、いきいきとして輝いているに違いない。自然の造形には、人間はどうやったって、かなわないのである。美しい句だ。

にんげんを一日忘れて風の蝶      田村 葉

にんげんを忘れて、というのであるから、この句の主体は人間である。人間が人間であることを忘れてしまうという発想が面白い。もっと面白いのは、私は風の蝶だという。ただの蝶ではなく、風に乗って花から花へと軽やかに飛んでいる蝶だという。作者の願望もあるであろうが、

悪食も生きる術なり寒鴉      河村正浩

悪食、悪い食べ物のこと。カラダに悪い食べ物や見た目の悪い食べ物もいうであろう。動物の中でも嫌われることの多いカラスは、それこそ美食にはありつけない。だが、それを良しとしているところがある。食べ物、みな同じじゃないか、という開き直りこそ、鴉なるがゆえの生き

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