小島てつを「人生が見えるから俳句は面白い」ブログ版

最近、最新の優れた俳句とその作者を紹介し、俳句の幅の広さ、その奥深さを堪能していただけましたらありがたいです。これをきっかけに俳句を作る人がふえてくれたら、最高です。

今を生きる俳人の、特に優れた俳句を読むことで、今を生きる読者(または実作者)のみなさんのこころに少しでも癒しの風が吹いてくれたらいいなと念願して、今日も鑑賞を書きます。ご感想なだお寄せいただければうれしいです。

建国日は「建国記念日」のこと。俳句では音数の関係でこのように縮めて使われることが多い。
2月11日。神話時代、神武天皇か即位した日を日本の建国された日を紀元節として明治以降祝日になったのだが、1945年の敗戦により一時期祝日として認められなくなった。
けれども、もはや戦後ではなくなったと言われた1966年に建国記念日として蘇った祝日である。
その日、外出していたのであろうか、何気なく触れた上着のボタンが緩んでいるのに気づいたのである。節分を過ぎて、なんとなく寒さも緩むころである。
ボタンが緩んでも少しもおかしくはあるまい。松の花2019.5

忖度(そんたく)といえば、現代の流行語といわれるぐらいよく知られた日本語のひとつになっている。なっているというのは、本当はなってほしくなかったという気持ちがあるからである。いうまでもなく、プラスイメージの句ではない。忖度は、相手をおもんばかるという意味では決して悪くないのだが、その思いが自身の保身の感情とつながり、過剰に反応することはよくない。そのために、いろいろなものが犠牲になるからである。この句に登場する人は、どうも自己保身の感情が希薄なようで、忖度を忘れていた。そうすると、そこに亀が鳴いたということである。忖度を催促するようなタイミングで亀は鳴いたようで、笑える句。
鷗座2019.5

金子兜太の死をいたむ作者は、墓参をされたのであろうか。長命であった兜太、その周囲の俳人たちは、おそらく墓近くに句碑を建立していたのか。皮を脱ぎ真っ青な竹がその素肌をあらわすころに訪れてみると、例の墨痕の太くたくましい文字の句碑にお目にかかる。この句碑がまるで兜太のお墓そのものじゃないか。そう思ったというのである。兜太のあの声まで聞こえてくるようだ。兜太がいなくなり、俳壇も少し淋しく感じられるこの頃である。そう思う人は多い。
鷗座2019.5

このページのトップヘ