小島てつを「人生が見えるから俳句は面白い」ブログ版

最近、最新の優れた俳句とその作者を紹介し、俳句の幅の広さ、その奥深さを堪能していただけましたらありがたいです。これをきっかけに俳句を作る人がふえてくれたら、最高です。

今を生きる俳人の、特に優れた俳句を読むことで、今を生きる読者(または実作者)のみなさんのこころに少しでも癒しの風が吹いてくれたらいいなと念願して、今日も鑑賞を書きます。ご感想なだお寄せいただければうれしいです。

新聞の日付け令和へ初夏の雨    小島てつを

今日5月1日、天皇の代替わりがすみ、年号が変わった。正式な言葉で言えば改元である。ただ昨日今日と改元のおめでたい儀式が続くなか雨となってしまった。テレビをつけると、雨降って地固まるのことわざをいうアナウンサーの声。雨は雨でも、暖かい陽気であることに救われた

さざ波をたてて干潟は目に似たり      今瀬剛一

干潟は潮の引いたあとの砂浜のこと。波が砂浜に自然の造形をほどこす。この句の作者は、それら干潟を高みから俯瞰して見ているから、目のようだとなる。目は、いきいきとして輝いているに違いない。自然の造形には、人間はどうやったって、かなわないのである。美しい句だ。

にんげんを一日忘れて風の蝶      田村 葉

にんげんを忘れて、というのであるから、この句の主体は人間である。人間が人間であることを忘れてしまうという発想が面白い。もっと面白いのは、私は風の蝶だという。ただの蝶ではなく、風に乗って花から花へと軽やかに飛んでいる蝶だという。作者の願望もあるであろうが、

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