小島てつを「人生が見えるから俳句(時々短歌)は面白い」ブログ版

最近、最新の優れた俳句(短歌)を紹介し、俳句(短歌)の幅の広さ、その奥深さを堪能していただけましたらありがたいです。これをきっかけに俳句(短歌)を作る人がふえてくれたら、最高です。

俳人・歌人の、特に優れた作品を読むことで、今を生きる読者(または実作者)のみなさんのこころに少しでも癒しの風が吹いてくれたらいいなと念願して、今日も鑑賞を書きます。ご感想なだお寄せいただければうれしいです。

パンデミックひとかたまりの母子草 柴田多鶴子

パンデミックとは流行と訳される。特定の地域や集団で感染症が短期間に通常より高頻度に多発することである。このたびの新型コロナウイルスは、日本人にも、この凶々しい言葉をはじめて記憶させた。この句、「ひとかたまりの母子草」と、パンデミックからまったく別の風景に

瞬間を揺らぎ合わせるようにしてページの隅に数は降り積む  金原弓起

「東京新聞」2020年5月24日俳壇、東直子選より。ページというから、本がイメージされるだろう。もしかすると、本物の本でなく、ストーリーをもったもの、という暗喩なのかもしれない。瞬間というものは不安定だ。その不安定で不確定な瞬間瞬間の積み重なりは、次第に本のよう

ウエットティッシュ囁く 君はどれだけの人に守られ今があるかと  高橋よしえ

「東京新聞」2020年5月24日俳壇、東直子選より。「コロナ禍で品薄高騰中のウエットティッシュからの戒めという妙味」というのが、この歌に対する東さんの言葉。まるで演劇のセリフがそのまま一首になったようである。「君はどれだけの人に守られ、今があるか知っているか?」

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